ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2019.10.29 13:41ゴー宣道場

女の10年後、20年後。

女子大生にアンケートを取っている。
設問の一つは、これ。
「10年後、自分はどうなっていると思いますか?」
(わからない、と書くのはNG)

目先の恋愛とか就活とかに右往左往するのではなく、
まずは10年スパンで、思い描く未来から現実を見る、
そのベクトルがあることを知ってほしいと思って
設けた問いなのだけど、多くの学生は無邪気に
「結婚して、子供がいてほしい」と書く。
私などハタチ前後の頃は結婚は墓場だと思って
いたけど、それってかなりレアケースなのだろう。

さて、その10年後、今の30歳前後の女性はどうか。
友人のひとりは、彼氏と別れたばかりだけど、
未練はない。それどころか「子供が欲しいから」と
さっさと婚活開始、新しい恋人を見つけた。
打算的だといわれようが何だろうが、がんばってほしい。
少子化に抗うためには、今のところバイタリティある
女子の本能に頼るしかない。
もう一人の友人は、結婚したばかり。
けど子供が欲しいとは思っていない。
理由は、自分のキャリアを捨てたくないから。
真面目で勉強家なので、自分を成長させたい
という思いが強い。
けれど私は、半分脅しのように
「絶対後悔するぞ!」と言っている。

彼女たちからさらに10年(以上)が経過した私は、
出産は待ってくれないけど、キャリアはどうにでも
なるような気がしている。
女にしか経験できない、その辺の仕事などとは
くらべものにならないくらい、出産は尊い。
経済的な「生産性」の観点などとは次元が違う。

ただそれは、産んでいない今だから
言えることであって、もし自分が30歳前後なら
「無責任なこと言いやがって」と思っていただろう。
出産・育児そのものにかかる負担から
そう思うのではない。
出産後の再度のキャリア形成が
全く思い描けないからそう思うのだ。
20年前、結婚が墓場だと思っていたのも、
自分の主体性が奪われるだけとしか
考えていなかったからなのだろうな・・・。

子供を産み、育てたいという女の本能は、
少なくとも私の知る範囲においては
まだまだ、そこそこ、健全にある。
けれど10年後、20年後……、私のまわりで
子供3人いるのは、たった一人だけ。
皆どこかで、何かがきっかけで、諦めている。

経済成長などほとんど望めないのに、
稼いでナンボの「生産性」至上主義がはびこり、
出産育児は軽視され、それどころか当の女にとって
キャリア形成の邪魔になっているという現実。
女はキャリアなんか求めずに出産育児に専念しろ
という無自覚かつ無神経な社会の風潮(しかも、
それとてもはや経済的に不可能になっている)。
これで「産め」というほうがおかしいだろう。

女が、本能にともなう喜びとして出産・育児が
できないところに、社会の歪みがあるよなあ。
少子化は、男尊女卑社会の当然の帰結かも。

さて、九州ゴー宣道場のテーマは「九州は男尊女卑か?」
でお送りします。
忸怩たる思いを抱えてきた女性はぜひ参加してほしい。
男尊女卑? 俺には関係ねーや、女の問題だろ?と
ちょっとでも思ってしまったそこの男子!
あなたもぜひ参加すべし!!!

応募の締め切りは明日いっぱい!
応募はこちらをクリック






笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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